一般不妊治療・不妊外来
そもそも不妊症とは
不妊症とは、避妊をせずに性交をしているにもかかわらず「一定期間」妊娠できない状態のことです。また、その期間は公益社団法人日本産科婦人科学会によって1年間が一般的だと言われています。
不妊症の原因はさまざまで、女性側・男性側ともに原因を抱えている可能性があります。
普段から性交のタイミングや健康管理に気をつけていても、なかなか妊娠できない時は不妊症の可能性を疑ってみましょう。男女そろって不妊検査を受けることをおすすめします。
不妊症について詳しく見る
一般不妊治療について
一般不妊治療とは、「タイミング療法」と「人工授精」の二つを指します。
不妊の原因が特定されていない場合は、基本的にはタイミング療法から始め、次のステップとして人工授精に移ります。
トータルで12か月程度一般不妊治療を行い、それでも妊娠に至らなかった場合は更なるステップとして「体外受精」をご案内することが多いですが、ステップアップするかどうかやその時期については患者様と医師で相談の上すすめていきます。
タイミング法
妊娠するためには排卵日を正確に予測することが大切です。
タイミング法では、医師の診断をもとに排卵日を正確に予測することで、男女にとって効果的な最適な性交タイミングをアドバイスし妊娠する確率を高めます。
左の図はタイミング法で妊娠した方が、妊娠までに何回性交が必要だったかという回数を表したグラフです。
約90%の方が1~5回で妊娠されています。
また、6回目以降に妊娠した方はタイミング法による妊娠率は低く、他の方法が効果的だという結果が出ています。
人工授精(AIH)
タイミング法と同じ方法で排卵日を予測し、排卵日に合わせて洗浄・濃縮した精子を直接子宮腔内に注入する方法です。
調整した精子を注入するため、タイミング法よりも精子と卵子が出会いやすくなります。
人工授精の妊娠率は、一般的には約10%程度です。6回目以降の妊娠率は非常に低い傾向にあるため、当院では1~5回を目安に、次の段階である体外受精などの生殖補助医療(ART)に進むことを提案させていただいています。
人工授精(AIH)について詳しく見る
薬剤療法
タイミング法や人工授精のために確実に排卵をさせるには、薬剤治療が必要な場合もあります。
- 卵胞が育ちにくい(卵巣不全、多嚢胞性卵巣症候群)
- 排卵しにくい(排卵障害)
- 排卵後のホルモンが出にくい(黄体機能不全)
などの場合は、内服薬や注射薬を用いて治療を行います。
薬剤の使用が必要かどうかについては、一般不妊治療検査の結果や、その周期ごとに医師が判断する形となります。
当院で使用する薬
- クロミッド
- レトロゾール
- フェマーラ
- FSH製剤
- HMG製剤
- HCG製剤
- デュファストン
- ルトラール
など
一般不妊治療のステップ・スケジュール
一般不妊治療の流れや、どのような期間で実施するのかについてご紹介します。
検査
一般不妊治療では、まず不妊の原因が何なのかを、検査を通じて調べます。
不妊症検査は月経周期のどの時期にあたるかによってできる検査が決まっているため、1回の検査では終わらず1~2周期にかけて検査をおこないます。
当院では以下の一般不妊検査をおこなっております。
女性
- 基礎ホルモン検査
- 超音波検査
- 尿中LH検査
- 卵管通水検査
- 性交後検査(フーナー検査)
- 高温期採血
- 甲状腺機能検査
- 抗ミュラー管ホルモン
- 抗精子抗体
- 風疹検査
- 感染症採血
- クラミジア抗原検査
- 子宮頸がん検査
- 子宮鏡検査
- 選択的卵管通水検査
男性
- 精液検査
- 感染症採血
タイミング法
原因によってステップはさまざまですが、検査のあとはタイミング法から開始します。
医師の診断のもと、排卵日を予測したうえで夫婦生活のタイミングをアドバイスします。
当院では5回目を目安に、次の段階である人工授精を考慮します。
人工授精
排卵日に合わせて洗浄・濃縮した精子を直接子宮腔内に注入する方法です。
調整した精子を注入するため、タイミング法よりも精子と卵子が出会いやすくなります。
タイミング法で妊娠できなかった多くの方は、次のステップとして人工授精の治療を検討しましょう。
人工授精の妊娠率は、一般的には約10%程度です。6回目以降の妊娠率は非常に低い傾向にあるため、当院では1~5回を目安に、次の段階である体外受精などの生殖補助医療(ART)に進みます。
人工授精について詳しくはこちら
その他不妊外来でできること
男性不妊治療
当院では、先述した男性不妊の一般検査を実施し、その検査結果から生活改善のアドバイスをおこなっております。また、男性不妊治療が必要な場合は他院をご紹介いたします。
男性不妊について詳しくみる
生殖補助医療(ART)
不妊治療で「体外受精」をよく耳にする方も多いのではないでしょうか。体外受精は生殖補助医療(ART)に含まれます。
体外受精とは、女性から取り出した卵子をパートナーの精子と一緒にして受精させ、発育した卵子を子宮に戻して着床を促す治療方法です。
体外受精(IVF)について詳しくみる
体外受精以外の生殖補助医療として、顕微授精(ICSI)があります。
体外受精の場合、保険適用外となりますので、パートナーと充分相談しながら自分に合った治療方法を選んでください。
生殖補助医療(ART)について詳しくみる
一般不妊治療・不妊外来に関するよくある質問
どの時点で不妊症検査を受けるべきでしょうか?
一定期間、避妊せずに性交しても妊娠できなかった場合、できるだけ早い段階で不妊症検査を受けることをおすすめします。不妊検査について詳しくはこちらをご覧ください。
初診の際に夫婦一緒に受診する必要がありますか?
奥様だけでも、ご夫婦でのご受診でも構いませんが、女性側の不妊症に限らず男性側の不妊症の可能性も充分ありますので、ご夫婦で受診することをおすすめします。
一般不妊治療の助成金について知りたいです。
一般不妊治療の助成金は、いくつかの条件がそろった場合申請が可能となります。
また、条件によって最終的に出される助成金もそれぞれ異なります。東京都の助成金制度について詳しくはこちらをご覧ください。当院は東京都特定不妊治療費助成費制度の指定医療機関に定められています。
体外受精・不妊治療の六本木レディースクリニック